攻玉社 創立160周年 新たな航海へ

160th Anniversary
今年、攻玉社は

創立160周年を迎えます

理事長挨拶

 1863年、攻玉社は大海原に船出しました。
 当時の日本は、欧米列強の圧力の下、横浜・神戸などを開港し、また不平等条約にもサインをせざるを得ませんでした。そのような中、日本の独立を守るためには、欧米と伍して行くことのできる近代国家を作り上げるしか道は残されていませんでした。そのためには、国家にとって有為な人材を養成する教育の整備が急務でした。幕末から明治初年の動乱期に、多くの知識人が学問と教育の分野で日本の近代化に貢献しましたが、その中でも慶應義塾の福澤諭吉、同人社の中村正直、同志社の新島襄と並んで攻玉社の近藤真琴は先導的な役割を果たしました。
 福澤と同じように、国漢学の基礎の上に蘭学・英学を学んだ近藤は、福澤が哲学、法学、経済学に焦点を当てたのに対し、数学、測量術、航海術を専門とする文官として、近代海軍黎明期の士官教育に当たりました。攻玉社はその私塾として発足し、海軍のみならず商船、土木工学の世界に人材を輩出しました。西洋の学問を「他山の石」として、日本の若者の「玉を攻(みが)く」ことを目指したのです。
 パンデミックや新たな戦争を目の当たりにする不確実性に満ちた今日、常に謙虚に他者から学び、自分自身の羅針盤を確かなものとしていこうとする攻玉社の教育は、未知の大洋に乗り出す日本の、新たな航海に必要とされていると感じています。

攻玉社学園
理事長 境 一三

境 一三 略歴

昭和32年、川崎市生まれ。同44年、攻玉社中学校入学。同50年3月、攻玉社高等学校卒業。同54年3月、東京外国語大学外国語学部ドイツ語学科卒業。同58年3月、東京大学文学部美学藝術学科卒業。平成元年3月、東京大学大学院人文科学研究科独語独文学博士課程単位取得。

成蹊大学法学部助教授、慶應義塾大学経済学部助教授、教授、同大外国語教育研究センター所長を経て、令和4年4月より学校法人攻玉社学園第12代理事長。慶應義塾大学名誉教授、獨協大学特任教授。

創立記念動画