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授業紹介 ~ブタの胎児の解剖~ 高校3年理系「生物」
探究的な学習の取り組みの一例として、高校3年生理系の生物選択者を対象に実施した「ブタの胎児の解剖」の授業を紹介します。
ヒトと似た構造や配置の器官を持つブタの解剖を通して、「生物の体内環境」に対する理解を深めること、自らで解剖の目的を設定し、計画を立て、実施することで主体的に学ぶ力を身につけることを目的として、実験実習を行いました。
本校では、5年生で理系コースを選択すると、物理か生物のどちらかを選択し、2年間かけて学ぶことになります(化学は必修)。生物の受講者には農学部や水産学部などの生物系の学部や、医学部、獣医学部の志望者が集まります。今回の授業は、6年理系の生物選択者を対象に、2年間の学習の集大成として実施しました。
事前学習として、今回の解剖を通してみることができる器官や、ブタに特有の構造、胎児に特有の構造を、ブタと人体の解剖図説を比較したり、解剖の様子の画像を見て学びました。
それをもとにして、生徒それぞれが、観察してみたいものをリストアップし、その構造を観察するためにはどのように手順や道具で解剖を行えばよいのかを考えて、解剖計画を立てました。
個人の解剖計画をもとに、何を主にして観察がしたいかを基準に班を分け、班ごとに話し合って実習の準備を行いました。
解剖は、連続した2時間の授業を通して行いました。体全体の断面を観察した班、脳を傷つけずに取り出そうと試みた班、肢の骨を取り出して骨格標本を作ろうと試みた班、肺を取り出して空気を入れてみようと試みた班、腸がどのくらい長いのか調べてみようとした班など、テーマによって全く解剖の手順や方法が異なり、班ごとに作業風景がまちまちで大変興味深いものでした。生徒は、自分の好きなように様々な方向から臓器を観察したり、構造や配置を調べる中で、教科書通りになっていることに感動したり、教科書とは違うようになっていることを面白がったり、精力的に取り組んでいました。